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東海地方で自然観察をしながら、チョウ・トンボ・野鳥・山野草などを撮り、日本の四季を愉しみつつ、自然環境の悪化、地球温暖化、生きものたちの絶滅などを心配しています。最近、“写真俳句”を始めました。


by 愉快な仙人
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地球が危ない!!                       ・・・・地球温暖化に伴う昆虫の北上

現在、地球温暖化により、将来、異常気象の増加、森林の砂漠化、水不足の発生、穀物生産の低下と食糧不足など、様々な影響が予測されていますが、昆虫の世界では、既に地球温暖化の影響ではないかと思われる現象が起こっています。

その一例として、以前、私が当地の山麓で撮影した、あたかも “英国紳士がパラシュートで降下しているような” クモ=『スズミグモ』が挙げられます(このクモは、南方系の『スズミグモ』だと、九州のクモの専門家 “えしま”さんに教えて頂きました)。

この南方系の『スズミグモ』は、地球温暖化のためでしょうか・・・その生息範囲を徐々に北へ拡大し、当地で生息しているのみならず、1980年には、神奈川県で発見されたのを皮切りに、同県内で続々と発見され、既に埼玉県でも発見されているようです。
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下の写真は、一週間前の8月 23日に、丘陵地で撮影した『スズミグモ』で、私が当地で撮影した2例目です (このクモの名前も、“えしま”さんに教えて頂きました)。
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地球温暖化に伴うとみられる昆虫の北上は、この『スズミグモ』にとどまらず、南方系の蝶のツマグロヒョウモン、イシガケチョウやナガサキアゲハなど、多くのチョウが 同じく北上しています。
南方系のチョウ、クロマダラソテツシジミは、2007年には兵庫県宝塚市~大阪府池田市にかけて、植栽のソテツで発生したようですが、現在、北九州一円のソテツで大発生中です。

南方系のトンボ・・・例えば、『タイワンウチワヤンマ』も北上しています。
   (これ↓↓ はウチワヤンマですが、外見はタイワンウチワヤンマと殆ど同じです)
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この『タイワンウチワヤンマ』の北上について、『神戸のトンボ』(青木典司氏)の記述を要約すると、次の様になると思います。
1934年に『タイワンウチワヤンマ』が高知県で発見され、1938年には鹿児島県、宮崎県でも出現が記録されています。そして、1950年代は,九州では熊本県と長崎県に,四国では徳島県に初記録が出ています。
1960年代にはさらに分布が北に広がり,九州では佐賀県と福岡県、そして山口県で初記録が出ています。
1970年代になると岡山県の記録が出て,瀬戸内海地域へ本格的な進入が始まりました。またこの時期(1971年)には隔絶した記録として三重県で本種が初記録されています.さらに,1979年和歌山県にも進入しました。
1980年代には瀬戸内海沿岸地域全域で見つかるようになり,さらに紀伊半島の沿岸地域や愛知県でも記録が出ています。1990年代には静岡県で記録され、2000年には、三浦半島に到達したようです。


このように地球温暖化により、北方各地域での生息が可能となったため、南方系の昆虫が北上し、定着するとなると、従来から そこに定着していた昆虫は更に気温が低い北方へ移るか、上昇した温度で死滅するか、新たにやって来た南方系の昆虫との生存競争に敗れて死滅するかなどで、従来からの生態系が破壊されることは避けられず、そのために 今後、深刻な問題が惹起されるのではないかと危惧されます。

by yukaina_sennin | 2009-08-30 11:41 | 昆虫全般